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2005年 09月 22日
● 心のアンテナにぐっとくるものがあり、かつ薦められて見た一本だけど、いやほんと、『柳生一族』も『魔界転生』もだけど頗るよい! 某忍者映画を見て「邦画もここまで進歩した」とかほざいたジャリガキどもめ、目玉かっぽじって見るがいいわ!(あ、進歩=きみらの好きなど腐れオサレにすり寄ることじゃないぞ)
男! 血! 死! この三重奏ですよ。こういう野太い世界、目と目で通じ合う熱く滾る世界。いいんだよ、もう問答無用でいい。 ● あらすじは、『シグルイ』でいうところの暗君のお兄様・家光が長男にして嫡子の竹千代(のちの家綱)が気に入らないからと老中・阿部重次と結託し我が子の暗殺を命じる(京本政樹が狂った将軍を熱演!)。その命を受け、千葉真一率いる暗殺団が湯治中の竹千代に襲いかかる。しかし、石河刑部ら率いる凄腕の浪人たちが竹千代を警護して守り抜くのであった。 石河刑部は今は浪人だが、家光と阿部重次と浅からぬ因縁があった。阿部重次と石河刑部はかつて兄弟同然の間柄であったが、家光の命を受け阿部が石河の妻・お万を側室に差し出すよう石河に強要したことがあったのである。「理不尽なり!」石河は身を捻って苦しみ、阿部と袂を分かったのであった。 今また父が子を殺す理不尽に直面した石河刑部。そうはさせぬと、男の意地をかけて竹千代を守り抜く! その厳しい戦いの中で一人、また一人、石河刑部の仲間は命を捨てていくのであった。 あ、熱い。熱すぎる! これだけではなく、竹千代に対して石河刑部が注ぐ視線、竹千代が守られる少年から大人への一歩を踏み出す過程なんかも描いていてとてもよいのだ。 そしてアクション! 悪役・千葉真一が監督を務めただけあって「絶対これ、人も馬も死んでいるだろ?」みたいなハードアクションの連続! どのシーンも普通の映画最高の見せ場級の迫力! CGもワイヤーもないのだから、見ていて寒気がするほどだ。爆破あり、墜落あり、火災あり! 織田裕二の屍が爆死して宙に舞うのなんてこの映画くらいだろう! 緒方拳と千葉真一の殺陣は、これこそ日本の芸術と絶賛したくなる、静と動の入り混じった絶品そのもの。やたらとワイヤーでポンポン飛ぶだけが能じゃないのだ。鶏が駆け回り、家をぶちこわす大迫力! この一撃が当たれば死ぬという緊張感! もう本当にすごい! 残雪の残る峰、滝に絶壁。こうした景観を生かしたシーンも見事! 断崖絶壁からお女中含めて飛び込む大迫力のシーン(しかも無論生身!)、滝壷を子供背負って登っていくシーン、千仞の谷をロープ一本で渡り、最後の一人に至っては決死のジャンプで超えるシーン。爆弾をばらまいて敵を破壊し、橋や櫓をブチ倒すあの迫力! そして最後、油を撒いて火をつけまくり、自ら火だるまとなって敵に駆け込んでいく長門裕之の凄絶さ! あの火だるまシーンは本当に誰か死んでいそうだ! あと、千葉真一軍団が槍を回しながら乗り込んでくるシーンも恐いし、山狩りに出た敵の多さは見ていると絶望的になってくるほど恐ろしいし、竹林のシーンもかっこいいし、馬の使い方もいい! 中国の武打星は胡堅強。これまた槍に棒に猿拳に三節棍まで生かして暴れ回る! 本物だけが持つ動きが、違和感なく発揮されていて素晴らしい。 どのアクションシーンも本物だけが持つ迫力に溢れ、さらに男の意地や人物の情感もよくわかるまさしく大傑作。さらに景観だって生かしている。無駄に紅葉が綺麗なだけの棒忍者映画は一からやり直せ。動けない俳優を誤魔化しているだけのCGとワイヤーはもういらん! もう一度このレベルまで邦画が立ち戻る日はあるのだろうか!?
by kizurizm
| 2005-09-22 22:50
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