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2006年 03月 05日
● 発売前、読んでもいない人からタイトルだけでバッシングされたという噂を見ましたが。高橋ヨシキさんと中原昌也さんが好きなので読んでみました。『嫌オタク流』です。
高橋、中原両氏が寄稿する『映画秘宝』ですらあまり好意的ではなく、「これはまだちょっと詰めが甘い!」みたいな書評を載せていましたが、確かにずさんな本です。本分レイアウトの行間の開け方ひとつとっても読みにくいのです。そして中身はグダグダとした居酒屋のダベリみたいな内容。 じゃあつまらないかというと、無茶苦茶面白かったんですね。高橋さんが激昂し、中原さんがボケながら相手の海老沢さん(第一章)、更科さん(第二章)に突っ込む、あるいはレクチャーされるという形式。 確かにここで斬られているオタクがあまりに極端だとか、嫌韓厨とオタクを同一視しているとか、そういう怒りのあまり関係ない人間までぶちのめしているカンフー映画みたいな欠点もありますが、その斬り方があまりにふざけているのでいいのかと。 でもちょっとフォローしておくと、高橋さんはたぶん極端なオタク像をネット経由で熱心に仕入れてしまった、あるいはオフラインではなくオンラインのオタク像だけを見てああいう意識を持ったんじゃないかと思います。私もオンラインでは、高橋さんが示しているような極端な例を見たことありますんで。あれは洒落になっていない、キツいです……。 まあ理詰めが通じない屁理屈の塊みたいなんです、高橋さんと中原さんは。でも敢えてこういうヤンキーくさい語り口なんじゃないかと。真面目に批判するのは誰か別の人。たとえば大塚英志あたりがやればいいんじゃないの、という気の抜け方。こういう投げやりな問題提起って、ゲリラ戦法みたいなものでいいやり方かもしれないと思ったりもして。 でもってさらに気が抜けるのは、対談者のオタクとされている人が、特に更科氏はそうですけれども今のオタクに否定的な方なので、対決でもなんにもなっていないところ。三人で一方的に愚痴っているかんじです。 まあ笑いながらも、洒落にならない指摘なんかあったりもする本です。しかしこの本は『映画秘宝』にもあるように続編を作らないといけませんね。その時は是非渦中の本田透氏や、高橋氏が想定しているような対戦相手をリングにあげないと。そうじゃないと、あんまり意味がない本になってしまう気がしますな~。 ● 余談。自分はオタクじゃなくてサブカルだと気付いたりもして。んでも『秘宝』には本田透氏も原稿書いていたりするんですよね。老舗の秘宝ファンがなんか怒っていたりしているのを見たけど。
by kizurizm
| 2006-03-05 22:25
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