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2006年 05月 12日
● この作品は武侠小説じゃねえ、武侠以外の何かだ。だがわからねえ、こいつがなんなのか……みたいな。
あるいは古龍という名茶から、豪壮でスタイリッシュな戦闘シーン、キャラクターのため息が出るほどのかっこよさ、ほどよいユーモアセンス、流麗で詩的な文体、そしてエロスを抜き取った出がらしみたいなお話。読む価値はまったくありません。 映画があんまりにもやっつけ仕事くさいプロットなので、「見せてみろよそのアニタ・ムイ健在版とやらを」と読んでみたけど、辛気くさい劉の背後関係と映画以上に無茶苦茶などんでん返しが追加されているだけという代物。やけに本が熱い割には中身がスカスカ。気取った文体で唐詩をいやみったらしく引用しまくるけど、鬱陶しいだけ。文章が生気に欠け、腐りかけた魚みたい。登場人物も魅力ゼロ、なんであそこまで大げさな痴話喧嘩になったのかやっぱりさっぱりわからない。映画版だと映像美でごまかせたところができないだけに、よりしょうもなさだけが際だつという悲惨極まりない出来です。 一番噴飯ものなのが、「空襲」が得意な飛鷹営。空襲というのは、映画でも失笑の嵐だったという竹林で削った竹を数無制限で投げていたあの連中ですよ。上のほうで竹を削る音がするとかやめてくれ、たのむから。朝廷の精鋭がなんでこんなアホな攻撃方法をするのか理解できません。それに自然破壊はいけません。 あと邦訳で気になるのが、中国語読み(小妹だとシャオメイ)と日本語読みが混在しているところ。人名くらいならまだしも、どういう基準がわからないので混乱が。映画とあわせたのかもしれないけど、どうにかならなかったのでしょうか。 時代考証もおかしいところはあるけど、いちいち引用してケチつけるほど暇じゃないのでしません。金庸と古龍を読み慣れた人はむしろ読んではいけません。 ● 『PROMISE』が破壊したのは私たちのゲシュタルトだけではなかった!いや、冗談抜きにかなり不愉快なニュース。中国が外貨欲しさに絶景ロケをするのは構わないけど、自然を汚すなら本当にやめろというのに。狭いスタジオ撮りが多かったショウブラの映画を見ていて思ったけど、最近の中国映画って景観に頼りすぎ。背景が大自然じゃなきゃかなりダメだと思う絵ばっかり。日本の『SHINOBI』も同じ手法をぱくっていたけど、あんなくだらないのを撮るためにゴミだのセットが棄てられていると思うと吐き気がする。中国の自然なんか愛していないでしょ? カネ稼ぎの手段でしかないんでしょ? あーやだやだ。 #
by kizurizm
| 2006-05-12 20:55
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