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2006年 05月 14日
● 小泉武夫『人はこうして美味の食を手に入れた』は、ある程度著者を知っていればともかく、「神戸牛やキャビアについてかな?」などと誤解して読んでしまうと肩すかしをくらうどころか、食欲減退するかもしれない危険な一冊です。
無論、小泉流美食が好きな読者にとってはたまりません。ここで著者が礼賛する美味とは、捨てるはずの食材を利用した工夫満点の加工食品や(ハン尚官も推薦しそう)、悪臭の奥に美味がある発酵食品、想像を絶する珍味のことなのです。 鰹節が世界一堅い食材だとか、脂身のないだしは日本独自とか、身近な食材の智恵を学べてトリビア感覚でかなりおもしろく読めます。あと小泉先生は白い悪魔こと白酒が好きなので、毎回それについてかなり詳しく書いています。中国酒のアルコール度数のきつさは、料理の脂っこさをサッパリさせるためらしくチビチビのみが正しいとか。ぐびぐび飲んだ惨劇は、知る人は知っているだろうけど。今はもう製造していないらしいけど、87種の香料をいれた「満殿香酒」はなんだかすごいなあ。 本書最大の見せ場は、臭い食べ物ランキング。ここにもある三位まではどれも載っています。他にもイヌイットのキビャック、ニュージーランドのエピキュアーチーズ、我が国のくさや、ウガンダのアナルワ、チベットやモンゴルのバター茶なんかが載っています。どれも強烈。 ● 筒井康隆『家族八景』は読心能力を持つ少女・七瀬がお手伝いとして放浪する物語で連作短篇です。 うわー、こういうのありそうだなと露悪的に人間の嫌な部分を描くのは流石。やめるとなったら、「最近の若い娘は」と七瀬がくどくど言われる場面は、私も似たようなことを言われながら退職したことがあったのでなんだか複雑な気分に。 一番恐いのが『亡母渇仰』で、嫌な母親というのが昔の嫌いな上司そっくりで頷きながら読んでしまいました。筒井先生の人間観察眼には恐れ入ります。続編も読まなきゃ。 ● 四十周年ということで『笑点』を見ました。無茶苦茶おもしろくてなんだか感動してしまいました。こん平師匠のコメントにはほろりとしましたねえ。あと「星の王子様」時代の円楽師匠や歌丸師匠の若い頃も見られてよかったなあ。毎週見なければ。 ● お好み焼きを作れるようになれと言われて大阪に来たので、自分の家で作りました。多すぎたのとソースを買い忘れたけど、まずまずの出来です。あと材料費が安い。お好み焼き屋というのは飲食店でもとびきり原価が安くすむそうです。納得できました。貧しくなったらお好み焼きでのりきろうっと。あとおかげでお店で食べる気失せたような。 #
by kizurizm
| 2006-05-14 22:05
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